第141回芥川賞受賞作品:磯崎憲一郎 著
この作品が、今回の受賞と聞いたときから読みたいとう衝動にかられ、楽しみに手にして読んだ。
なんだか読んでいる間中、腑に落ちない違和感で、気持ち悪い感覚につきまとわれた。
純文学と謳っていながら、遠藤周作のような品格も読後の余韻も感じさせない不可解な不思議さだ。
ごく普通の線の細い目立たないサラリーマンが、恋愛と言えるほどの付き合いもなく結婚し、愛情もお互い感じあうことなく夫婦という単位になり、子どもを成しながら11年間も口をきかなくなったりという背中が寒いような、冷たいコンクリートの箱の中のような小説だ。
読み終えても、虚無感だけが際立つ作品で、まったく理解ができない。
これが受賞作? 読者はみな、分かって面白いと思っているのかすごく疑問?
よく売れていると聞く。なんだか評論で褒めている人もいる。
私のように受賞作なので読みたいと思って買った結果、がっかりしている人も多いのではないかな。
言わばオカルト映画を観たあとと、同じ感覚なのだ。
この作品を受賞させるというのは、どういうこと? どこが優れているの?
ほかにいいのが無かったの? だったら該当無しでいいのにと、どんどん疑問が湧いてくる。
ただ、最近普通に電車に乗っていても、この読後の感触と同じ空気を感じる光景がままある。
どこか薄ら寒い印象を受けるフツーの人々の「傍若無人」の我さえよけりゃの行為。
見てみぬ振りをさせられる言い表し難い、違和感や絶望感。
ということは、現代社会のフツーの人々には合っていて、違和感の無い作品???
磯崎氏のほかの作品を読んでみないと、作者の意図もよく分からない。
そうか、映画にもなった「蛇にピアス」という同じように芥川賞受賞作品もあったなあ。
映画なんざー絶対見たくない。 おぞましい。
文学は例え100年経っても、後世の人が読んでも崇高とまでは行かなくとも、心に人生の示唆を与えるような作品が望ましいと思うのだけど、時代の趨勢なのかなあ。
疑問が尽きない受賞作でした。
2009年9月8日火曜日
2009年7月10日金曜日
痛快時代小説 「耳袋秘話 赤鬼奉行 根岸肥前」
風野真知雄著 だいわ文庫(648円+税)六二歳で町奉行に大抜擢された根岸肥前守鎮衛。肩には、無頼時代に彫った赤鬼の刺青が光る。
綽名は「大耳」。
さまざまな人脈からもたらされる裏情報が最大の武器なのだ。 その大耳に入った奇談を集めた『耳袋』の著書でも知られる根岸だが、極秘版の『耳袋秘帖』をひそかに記していた。江戸に起きる怪事件の謎を次々解き明かす痛快お裁き帖。
耳袋秘帖 シリーズ第一弾~ (説明文より)
中高年の皆さま
喜んでください。この文庫本は何よりまず、字が大きい。行間が広い。読みやすいんです。
それにもまして、ホントに痛快! 出世がどうこう等と思わず、貧しくともマジメに生きてきた男の人生終盤になって、奉行になるという奇遇なことからして、どんどん先を読むのが楽しくなって来る本なのです。
この中に収められている五話の事件のタイトルも、いいですよ~。
第一話;もの言う猫
第二話;古井戸の主
第三話;幽霊橋
第四話;八十三歳の新妻
第五話;見習い巫女
とくに八十三歳の新妻なんて、ぜったい読んでみたくなるでしょ! どれも面白かったし、文章の流れも筋もスムーズで、立身出世の話などではない、一人の男として、人として、親として、誰しも共感できる話ばかり。
あっという間に読んでしまいました。この後のシリーズを読み進むのが楽しみです。
2009年7月8日水曜日
宮部みゆき 「ステップファーザー・ステップ」

宮部みゆき著「ステップファーザー・ステップ」
講談社文庫・649円
中学生の双子の兄弟が住む家に落っこちてきたのは、なんとプロの泥棒だった。そして、一緒に暮らし始めた3人。まるで父子のような(!?)家庭生活がスタートする。次々と起こる7つの事件に、ユーモアあふれる3人の会話。宮部みゆきがお贈りする、C・ライス『スイート・ホーム殺人事件』にも匹敵する大傑作!(紹介文より)
推理小説が好きです。
海外ものが多いのですが、誰かさんが言ってたのですが、横文字の名前をおぼえるのが面倒くさい、筋がこんがらがる。年齢と共に私もそうなってきました。日本語の名前も怪しくなってきている今日この頃、楽に読み進める母国語の本にしますか!
という訳で、「火車」の乗りを期待して読み始めたのが、大きく外れてしまいました。
まるで、小・中学生向けのアニメの脚本のレベルでした。読み応えのないこと。稚拙でがっかりでした。
アニメの方がレベルの高い作品が多いと断言できます。
あるわけないでしょという筋の流れで、緻密さも推理小説の本質の読者が抱く混迷度もなく、売れっ子作家が、ご気楽に軽くお遊びで書いた作品という風でした。
そう言えばこの感覚、以前にもあったなーと、思い出しました。
もう何十年も前、松本清張の作品が大好きで、ある日手にした作品もまたあのどきどきするような感覚を期待して読み始めた時に「あれっ?!」いつもと違って文章の流れがすごく悪い。ストーリーもまったく「らしくない」と何度も感じ、読んでいる間じゅう違和感がありました。あれとよく似ています。
その時は、売れっ子作家になっちゃって、書く暇がないから弟子か誰か若手のゴーストライターに書かせたんだきっと! なんて、友達に話したことを思い出しました。
この作品は、そこまでは思いません。思い起こせば「火車」を、読んでいるときにもすごく緻密とは思わなかったので、こんなものなのでしょう。いわゆる色んな重さの本が書ける器用な作家ということなんでしょう。
でもこういう作品は、テレビの2時間ドラマには持って来いの筋かも知れません。
まあ、そんなこんなでも本が好きですから、こういうのもありってことで、気楽に読めてなんてファンで、ほめている方もいますので、肩がこらない本ってことです。気が向いたらお読みください。
2009年6月16日火曜日
野菜の本
野菜が大好きです。
この時期、ハウスだけでなく太陽をいっぱい浴びた元気な露地物が多く出回っていて、おいしいですね。
本屋でぷらぷら歩いていたら、綺麗な装丁の「からだにおいしい 野菜の便利帳」
板木 利隆 監修 高橋書店 ¥1,300(税別)という本に出会いました。
‘野菜をいくつもの視点から、広く流通している野菜の魅力と楽しみ方を紹介していきます’とあるように、葉を食べる、実を食べる、根を食べる、ほか 効能、レシピ、栄養、選び方、保存法等、美しい写真と共に分かりやすく説明してあり、お料理するのも楽しいだけでなく、図鑑としても楽しい本です。
その中で「ふ~ん、フムフム、そうだったのかー!!知らなかったー!!」ということが、よくあります。
母が生きていた頃は、そんなちょっとした知恵を、ごく何気なく普通に教えてもらっていたんだなあと改めてありがたいことだったんだと思います。
☆☆☆ ピーマンの切り方 ☆☆☆
ピーマンの切り方で、味が違うってみなさん知っていましたか?
なんと、縦に切ったピーマンのほうが横切りよりも独特の青臭さが立たないということ。
ピーマンは細胞が縦方向に並んでいるので、細胞を壊すように横に切ると青臭くなるということなのです。
そうか! 玉ねぎも縦と横では違うのと、おんなじ理屈だったのか。
ピーマンはどうしたってピーマンだと思って考えもしなかった。やっぱり、物を知って調理するのとしないのでは、差が出てきますね。
本を読むと(すぐ忘れてしまうことを除いて)賢くなりますネ。
☆☆☆ にんじんの効能 ☆☆☆
例えば、京人参(=金時人参)の赤い色はカロテンだと思っていましたが、リコピンなんですって。
その栄養素のカロテンは免疫力をアップして、皮膚や粘膜を強くし、心臓病、動脈硬化に効果がある。
野菜から得られる恵みは、 測り知れない、知るとお料理も意味が深くなりますね。
この時期、ハウスだけでなく太陽をいっぱい浴びた元気な露地物が多く出回っていて、おいしいですね。
本屋でぷらぷら歩いていたら、綺麗な装丁の「からだにおいしい 野菜の便利帳」
板木 利隆 監修 高橋書店 ¥1,300(税別)という本に出会いました。
‘野菜をいくつもの視点から、広く流通している野菜の魅力と楽しみ方を紹介していきます’とあるように、葉を食べる、実を食べる、根を食べる、ほか 効能、レシピ、栄養、選び方、保存法等、美しい写真と共に分かりやすく説明してあり、お料理するのも楽しいだけでなく、図鑑としても楽しい本です。
その中で「ふ~ん、フムフム、そうだったのかー!!知らなかったー!!」ということが、よくあります。
母が生きていた頃は、そんなちょっとした知恵を、ごく何気なく普通に教えてもらっていたんだなあと改めてありがたいことだったんだと思います。
☆☆☆ ピーマンの切り方 ☆☆☆
ピーマンの切り方で、味が違うってみなさん知っていましたか?
なんと、縦に切ったピーマンのほうが横切りよりも独特の青臭さが立たないということ。
ピーマンは細胞が縦方向に並んでいるので、細胞を壊すように横に切ると青臭くなるということなのです。
そうか! 玉ねぎも縦と横では違うのと、おんなじ理屈だったのか。
ピーマンはどうしたってピーマンだと思って考えもしなかった。やっぱり、物を知って調理するのとしないのでは、差が出てきますね。
本を読むと(すぐ忘れてしまうことを除いて)賢くなりますネ。
☆☆☆ にんじんの効能 ☆☆☆
例えば、京人参(=金時人参)の赤い色はカロテンだと思っていましたが、リコピンなんですって。
その栄養素のカロテンは免疫力をアップして、皮膚や粘膜を強くし、心臓病、動脈硬化に効果がある。
野菜から得られる恵みは、 測り知れない、知るとお料理も意味が深くなりますね。
2009年6月15日月曜日
だいこん 読みました
直木賞作家 山本一力 の長編時代小説‘だいこん’を読みました。
最近の私は、時代小説、特に江戸の庶民を描いた物がお気に入りです。
この‘だいこん’は、江戸・浅草の下町を描いた秀作です。
腕のいい大工の娘つばきが、貧しい暮らしの中から、抜きん出た
知恵と才能で、若くして一膳飯屋を営み、周りの力も得て商売の才覚を
発揮し、店とともに成長していく話です。
気丈に頑張る若いつばきの小気味いい決断や、物怖じしない態度
今で言う、キャリアウーマンかもしれません。
物事を見抜く力や決断力のよさ、胸がすく思いの啖呵を切る場面。
一気に読み進んでしまいました。
ぜひ皆さんも 機会があれば読んでみてください。
光文社 ¥914
最近の私は、時代小説、特に江戸の庶民を描いた物がお気に入りです。
この‘だいこん’は、江戸・浅草の下町を描いた秀作です。
腕のいい大工の娘つばきが、貧しい暮らしの中から、抜きん出た
知恵と才能で、若くして一膳飯屋を営み、周りの力も得て商売の才覚を
発揮し、店とともに成長していく話です。
気丈に頑張る若いつばきの小気味いい決断や、物怖じしない態度
今で言う、キャリアウーマンかもしれません。
物事を見抜く力や決断力のよさ、胸がすく思いの啖呵を切る場面。
一気に読み進んでしまいました。
ぜひ皆さんも 機会があれば読んでみてください。
光文社 ¥914
登録:
コメント (Atom)
