2009年7月10日金曜日

痛快時代小説 「耳袋秘話 赤鬼奉行 根岸肥前」

 風野真知雄著 だいわ文庫(648円+税)

六二歳で町奉行に大抜擢された根岸肥前守鎮衛。肩には、無頼時代に彫った赤鬼の刺青が光る。
綽名は「大耳」。
さまざまな人脈からもたらされる裏情報が最大の武器なのだ。 その大耳に入った奇談を集めた『耳袋』の著書でも知られる根岸だが、極秘版の『耳袋秘帖』をひそかに記していた。江戸に起きる怪事件の謎を次々解き明かす痛快お裁き帖。
耳袋秘帖 シリーズ第一弾~ (説明文より)

中高年の皆さま
喜んでください。この文庫本は何よりまず、字が大きい。行間が広い。読みやすいんです。
それにもまして、ホントに痛快! 出世がどうこう等と思わず、貧しくともマジメに生きてきた男の人生終盤になって、奉行になるという奇遇なことからして、どんどん先を読むのが楽しくなって来る本なのです。

この中に収められている五話の事件のタイトルも、いいですよ~。

第一話;もの言う猫 
第二話;古井戸の主 
第三話;幽霊橋 
第四話;八十三歳の新妻 
第五話;見習い巫女

とくに八十三歳の新妻なんて、ぜったい読んでみたくなるでしょ! どれも面白かったし、文章の流れも筋もスムーズで、立身出世の話などではない、一人の男として、人として、親として、誰しも共感できる話ばかり。

あっという間に読んでしまいました。この後のシリーズを読み進むのが楽しみです。

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