2009年7月8日水曜日

宮部みゆき 「ステップファーザー・ステップ」



宮部みゆき著「ステップファーザー・ステップ」 
講談社文庫・649円

中学生の双子の兄弟が住む家に落っこちてきたのは、なんとプロの泥棒だった。そして、一緒に暮らし始めた3人。まるで父子のような(!?)家庭生活がスタートする。次々と起こる7つの事件に、ユーモアあふれる3人の会話。宮部みゆきがお贈りする、C・ライス『スイート・ホーム殺人事件』にも匹敵する大傑作!(紹介文より)


推理小説が好きです。
海外ものが多いのですが、誰かさんが言ってたのですが、横文字の名前をおぼえるのが面倒くさい、筋がこんがらがる。年齢と共に私もそうなってきました。日本語の名前も怪しくなってきている今日この頃、楽に読み進める母国語の本にしますか! 

という訳で、「火車」の乗りを期待して読み始めたのが、大きく外れてしまいました。
まるで、小・中学生向けのアニメの脚本のレベルでした。読み応えのないこと。稚拙でがっかりでした。
アニメの方がレベルの高い作品が多いと断言できます。
あるわけないでしょという筋の流れで、緻密さも推理小説の本質の読者が抱く混迷度もなく、売れっ子作家が、ご気楽に軽くお遊びで書いた作品という風でした。

そう言えばこの感覚、以前にもあったなーと、思い出しました。
もう何十年も前、松本清張の作品が大好きで、ある日手にした作品もまたあのどきどきするような感覚を期待して読み始めた時に「あれっ?!」いつもと違って文章の流れがすごく悪い。ストーリーもまったく「らしくない」と何度も感じ、読んでいる間じゅう違和感がありました。あれとよく似ています。
その時は、売れっ子作家になっちゃって、書く暇がないから弟子か誰か若手のゴーストライターに書かせたんだきっと! なんて、友達に話したことを思い出しました。

この作品は、そこまでは思いません。思い起こせば「火車」を、読んでいるときにもすごく緻密とは思わなかったので、こんなものなのでしょう。いわゆる色んな重さの本が書ける器用な作家ということなんでしょう。

でもこういう作品は、テレビの2時間ドラマには持って来いの筋かも知れません。
まあ、そんなこんなでも本が好きですから、こういうのもありってことで、気楽に読めてなんてファンで、ほめている方もいますので、肩がこらない本ってことです。気が向いたらお読みください。

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